議会報告

総務くらし建設委員会 所管事務調査

総務くらし建設委員会 所管事務調査

《7月11日(木)》

所属する長久手市議会 総務くらし建設委員会の所管事務調査として、

《午前 古民家復元事業 現地視察》
《午後 リニモテラス整備事業》の所管事務調査を行い、委員会後は委員会メンバーで、その他、古戦場公園再整備事業や公共施設整備事業、市民より寄せられた農業の支援に関することを侃々諤々と話し合いました。

①《午前 古民家復元事業 現地視察》では、
市が『市内に現存する最古の古民家を国の登録文化財にすることにより、将来にわたり保存活用していくことを目指す』を目的に進めており、
平成30年度、令和元年度に建物の応急処置、調査、整備方針策定から以降、整備工事等を経て令和6年度一般公開予定となっており、
これまで平成30年度から令和元年度の繰越予算で建物応急工事11,719千円、
令和元年度は詳細調査委託2,475千円、整備方針策定委託7,224千円が予算付けされております。
実家にありました私の祖父祖母宅も古民家で、約25年前に祖父の他界もあり、致し方なく解体致しましたが、それもあり久しぶりに古民家を見る事ができる楽しみもあり現地視察に出向きました。
しかし、
現地を視察しないと見えない状況が多々あり、
約20年住宅や建築に携わってきた者の視点、
長久手生まれであり古民家に慣れ親しんできた者としての視点から現地で質問をしました。
私は大きく疑問に感じたのは、
『江戸後期に建てられた現存する長久手市最古の古民家』として『国の登録有形文化財』に登録を目指すとある。
しかし実際は『江戸時代後期に瀬戸市で建てられたものを明治時代に長久手に移築されたもの』でありました。
『長久手市の最古の古民家だから文化財ではないのか?』
『どこから、何をもって登録有形文化財になるのか?』
と質問をすると、
『今年度の詳細調査をしないと解らない、文化庁と調査をしないと解らない。江戸からの建築部材が認められるか、明治からここにあるのが認められるか解らない。』でした。
明治期からの古民家が文化財となるならば、
25年前に解体した、実家の祖父宅もそのころからありましたし、長久手市内外および近郊にはまだまだあります。
また、対象の古民家が、
明治に瀬戸から長久手村に移築をされた時点で江戸期の建物では無いほど、分解、輸送され、土壁から建具から、屋根から茅葺きの茅から、瓦から、躯体(骨組)以外は、
ほぼ新築として改めて建て方をされている事は建築関係者の皆様ならおのずとわかります。
それ以降も、大正、昭和と時代を重ねるなか増築やリフォームをされている形跡がありました。
これまでに前述の多額の税金がすでに投入されておりますし、
国の登録有形文化財に認められるには、当然、なにをいかし、なにをもって保存とするかは今はわかりませんが、
建築畑で生きてきた者として、建物の痛みの状況から、躯体(骨組)以外を残し、
後はかなりの大規模修繕(リフォーム)を必要とすることが見込まれ、躯体(骨組み)以外は新材で補てんすることになり、ほぼ新しい建物になり、まだまだ相当な予算が必要だと判断できました。
本日は、総務くらし建設委員会の全メンバーから多くの疑議が発せられ、事業の廃止、中止、見直しまでが求められました。
そんな状況を鑑みながら古民家をみると、
どこか悲しげに映り、
人の勝手、人の都合、市の事業に無理くり古民家が振り回されている感があり、
勝手に必要、不要などと人間に自分の都合で議論され、
私は古民家が可哀想な感じを受けました。
事業ありきで、事業完遂のため無理やり机上に乗せられた感が拭えません。
江戸から生きてきた古民家、明治から長久手にある古民家、ある意味長久手の最長老の古民家として静かに見守ってあげることはできなかったのだろうか。
市政に人、家財、歴史を巻き込む責任は大きいです。
長文、最後までお目通しを頂き誠にありがとうございます。

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